Zen Habits翻訳:不確かな新しい領域へ勇気をもって踏み出すためのガイド

この記事は、ブログ「Zen Habits」の創設者レオ・バボータ(Leo Babauta)による記事「A Guide to Moving Courageously Into a New Uncertain Space」を、新規事業ポータルが独自に日本語へ訳したものです。Zen Habitsは著者によってパブリックドメインとして公開されています(著者による宣言)。原文はこちら。訳文では、原文の趣旨を変えないことを優先しました。


「私たちは勇敢な行いをすることで勇敢になる」――アリストテレス

ちょうど10年前の今ごろ、会社勤めをしていた私は、辞表を出すために上司の部屋へ入っていきました。そのときのことを覚えています。私は毎月決まった給料をもらう生活をやめ、専業のブロガー兼ライターになろうとしていました。

圧倒されるほどの恐れと、圧倒されるほどの喜びで、胸がいっぱいでした。

今では、この「喜びと恐れが入り混じった気持ち」を、人生の大切な瞬間と結びつけて考えるようになりました。

  • 生まれたばかりの子どもたちを、それぞれ初めて震える手で抱いた瞬間
  • 自分が何をしているのかもわからないまま、未知の世界に飛び込んでZen Habitsを始めたこと
  • 昨年、ライブのワークショップやリトリートを始めたこと
  • 最初の本を出版したこと(そして、その後のすべての本も)
  • 家族全員でグアムからサンフランシスコへ引っ越したこと
  • 子どもたちをアンスクーリング(学校に通わせない教育)で育てていること

どれも私にとってすばらしい経験で、不確かさと喜びに満ちていました。不確かさへの恐れから、人生の新しい領域へ進むのを先延ばしにしてしまう人はたくさんいます。でも私は、この恐れを受け入れ、その中に飛び込み、それを成長と変化と学びの場として見ることを学んできました。

今年、私は新しい不確かな領域へ進もうとしています(詳しくは来月お話しします)。そして、大きく開けた未知の領域の不快さや不確かさとともにいる練習を、さらに重ねています。喜びとともに深淵へ飛び込む練習をしているのです。

ここまでに学んだことを紹介します。人生の中で不確かな領域へ進もうとしている人の役に立てばと思い、共有します。

自分が身を捧げるものを見つける

私たちは、何の理由もなく恐れのただ中に身を置くわけではありません。その恐ろしい領域へ踏み込むほど深く大切に思っている何かがあるから、そうするのです。

なぜ自分がこの不確かな領域へ進むのかを、思い出してください。あなたが深く大切にしているものは何ですか。誰に、あるいは何に身を捧げていますか。それは大義かもしれませんし、何かに困っていたり苦しんでいたりする人たちかもしれません。大切な人たちかもしれませんし、あなたが支えているチームや顧客かもしれません。その大義や人たちに対する愛と情熱を、自分の心の中に見つけましょう。

そして毎日、その献身を思い出してください。一歩一歩、一つひとつのタスクに取り組むたびに思い出すのです……これこそが自分が深く大切にしているものだ、と。

あなたの献身、つまりあなたが深く愛しているものや人たちは……あなたの恐れや不快感よりも大きいのです。

実際、献身があれば、この不確かな領域は、震えながらも心からの愛に満ちた場所に変わります。

恐れと不確かさに触れる

たいていの人は、恐れから逃げるか、それを消したり、感じないようにしたり、なくしたりする方法を探そうとします。

私たちはそうしません。恐れに触れ、それを十分に感じることを自分に許します。

なぜ恐れや不確かさを十分に感じたいのでしょうか。それは憎むべきものではなく、私たちの経験の一部であり、実は私たちがいたいと思っている場所だからです。

恐れと不確かさを十分に感じ、そのままにしておき、歓迎さえすること……そうすると、それほど悪いものではないとわかります。パニックになるようなものではないのです。逃げ出したいという子どもっぽい欲求から卒業し、その代わりに、優しさと思いやりをもって、辛抱強くそこにとどまることができます。

私たちは不確かさに触れ、そこにとどまり、それを歓迎し、愛することさえできるのです。

練習しましょう。十分に感じることに上達しましょう。そして、それを受け止め、開かれた心と喜びに変えられることを学んでください。

小さな行動で通り抜ける

恐れは、逃げたり避けたりするべきものではありません。実は私たちが歩みたい道なのです。なぜなら、この恐れを通り抜けた先に創造があるからです。この恐れを通り抜けた先に、学びが、成長が、変化が、世界への影響が、美しさがあります。この恐れを通り抜けた先に、意味のある何かがあるのです。

ですから私たちは恐れを通り抜けていきますが、小さな一歩ずつ進みます。恐れを通り抜けるために、エクスポージャー療法の考え方を使います。つまり、小さく扱いやすい量を少しずつ自分に与え、対応できる段階ごとに量を徐々に増やしていくことで、その感覚に慣れていけるという考え方です。

そのために、毎日小さな行動をとります。

作家になりたいですか。毎日少しずつ書き、時間と空間を確保して、書くこと(そして失敗すること)への恐れとともにいることを自分に許しましょう。会社を立ち上げたいですか。調査をし、ウェブサイトをつくり、チームメンバーを見つけ、収益を上げ始め、実験して学ぶために必要な小さな行動をとりましょう。

毎日小さな行動をとり、不確かさに身をさらし、自分はそれに対応できるという信頼を築いていきましょう。

遊び心と感謝を見つける

不確かな領域へ進むことは、厳しい自己鍛錬や自分への罰の訓練である必要はありません。喜びに満ちた、楽しいものにもなりえます。

この領域へ進むとき、遊ぶ方法を見つけられないか試してみてください。散らかしながら創造的になれますか。それをゲームにできますか。体が動き出すようなアップテンポの音楽をかけられますか。ほかの人と一緒にやって、協力するわくわく感を味わえますか。自分の音楽を世界に向けて奏で、みんながそれに合わせて踊るのを見られますか。

遊びに変えていくにつれて、その喜びを感じることを自分に許しましょう。もちろん、喜びの中には恐れも混ざっていますが、それを「わくわく」と呼ぶこともできます。

そして、すべてのただ中で立ち止まり、この不確かな領域にいることに感謝できないか見てみましょう。ここにいられること、生きていること、自分が身を捧げる人たちに愛をもって尽くせることへの感謝です。

感謝は、その活動を「やらされていること」から「やらせてもらえること」へと変えてくれます。

支えを求める

たとえそう感じたとしても、私たちはこの不確かな領域でひとりではありません。同じように道を切り開いている人たちがいて、同じく踏み込もうとしている人たちのグループをつくる(あるいはそこに加わる)ことができます。メンターや先生、コーチに頼ることもできます。大切な人やチームメンバー、オンラインのフォーラム、SNSの友人に支えを求めることもできます。

支えを求めるとき、私たちは自分が孤島ではなく、周りのすべての人とつながっていることを認めています。私たちは人の役に立っていますが、同時に、食べ物をつくり、家や車や道路を建て、インターネットや私たちが使う機器をつくり、ほかにも数えきれない形で私たちを支えてくれる、何千何万という人たちに支えられています。すべてをひとりではできないけれど、人とのつながりがあればはるかに多くのことができると考えることで、私たちは謙虚になれます。

支えを求め、その支えに感謝し、多くの人の助けを借りてこの未知の領域へ進んでいく自分を感じてください。あなたの旅が、喜びと恐れに満ちたものになりますように。

「崖っぷちまで行って、飛び降りなさい。翼は落ちながらつくればいい」――レイ・ブラッドベリ

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