スティーブ・パヴリナ翻訳:NaNoWriMoを始めます

この記事は、自己啓発ブロガーのスティーブ・パヴリナ(Steve Pavlina)が2020年11月に自身のブログで公開した記事「Starting NaNoWriMo」を、新規事業ポータルが独自に日本語へ訳したものです。この記事は著者によってパブリックドメインとして公開されています(著者による宣言)。原文はこちら。公開当時の状況を前提にした内容も含まれています。訳文では、原文の趣旨を変えないことを優先しました。


今日からNaNoWriMo(National Novel Writing Month:全米小説執筆月間)が始まります。私が参加するのは今年が初めてです。この記事を投稿したらすぐに、今月中に小説を少なくとも5万語書くという30日チャレンジを始めます。1日あたりにすると1667語です。

私はこれを次のように位置づけています。私はこれまで小説を書いたことがなく、ずっと書いてみたいと思っていました。人生の経歴に加えたいことのひとつです。まったく一人でやることもできますが、NaNoWriMoの勢いに乗るほうが楽しく、夢中になれます。これまでの11月にも何度も参加を考えてきましたが、コロナの年は始めるのにぴったりの年に思えます。

小説を書いたことがないので、実のところ書き方がわかりません。短編小説も書いたことがありません。上等です! それなら学びと成長の経験になります。それだけでやる理由として十分です。

今年はどのみち毎日ブログを書き続けるので、途中で学んだことも共有できます。

先月学んだばかりのことをひとつ紹介しましょう。

小説を書くには、基本的に3つのアプローチがあります。

プロッター/プランナー:書き始める前に、物語をできるだけ詳しく設計しておきます。少なくとも、物語の重要な展開、主要な登場人物、そして物語をどう終わらせるかは把握しておきます。プロッターの中には、すべての場面を事前に計画しておく人もいます。J・K・ローリングは有名なプロッターです。

パンツァー:行き当たりばったりで(by the seat of your pants)書き、書きながら物語を作っていきます。筋の展開や場面がどうなるのか、最後にどこへたどり着くのか、まったくわからないこともあります。基本的なアイデアから始めて、とにかく書き始め、どうなるかを見ていきます。

有名なパンツァーといえばスティーヴン・キングです。最近、彼の著書『書くことについて(On Writing)』のオーディオブック版(本人の朗読)を聴いたのですが、そこで彼は自分の執筆スタイルについて語っています。彼はある状況と1人以上の登場人物から書き始め、書きながらどうなるかを見ていくのが好きだそうです。登場人物の心の中に入り込むことで、それぞれの状況で彼らがどう行動するかがわかり、登場人物たちにしばしば驚かされるのだそうです。

プランツァー:プロッターとパンツァーを組み合わせたものです。ある程度は事前に計画を立て、パンツァー的なモードも活用します。もちろんここには幅があるので、プランツァーでもプロッター寄りの人もいれば、パンツァー寄りの人もいます。

今回の小説執筆では、私はプランツァー方式でいくつもりです。プロットを立てることも、行き当たりばったりで書くことも道具だと考えているので、両方使えるようにしておくのがいいだろうと思ったのです。

2週間ほど前までは、どんな本を書くのかも決まっていませんでした。それ以来、SFの物語の大まかな構想、何人かの登場人物、テーマ、世界観の一部、いくつかの筋の展開をざっくりと描いてきました。すべてをきちんと整理しておくためにScrivenerでプロジェクトを作りました。新しい講座を作るときとほとんど同じやり方です。

先週末、物語の最初から最後までを3000語のあらすじにまとめました。ただし、このあらすじはとても大まかで、途中で起こりうることについて複数の選択肢を残しています。物語をどう終わらせるかはなんとなく見えていますが、書きながら話を作っていける柔軟さもたっぷり残しています。

ノンフィクションでは、私はこれらのアプローチをすべて使ってきました。ブログ記事はほぼすべてパンツァー方式で書いています。アウトラインは作りません。大まかなアイデアから始めて、最初から最後まで思いつくままに書き、何が流れ出てくるかを見ます。書き終えたらすぐに推敲をして、文章を引き締め、必要に応じて構成や説明を加えます。

著書『Personal Development for Smart People』では、プロット方式を使いました。書き始める前に、何十枚もの付箋を使って、主要なアイデアをすべて章ごとに設計したのです。ただ、正直なところ、書く過程はそれほど楽しめませんでした。すべてがきっちり設計されていたので、インスピレーションの流れを楽しむ余地があまりなく、書くことがとても頭だけの作業に感じられたのです。

講座(Deep Abundance Integration、Submersion、Stature)では、共創型のプランツァー方式を使いました。個々のレッスンは収録前に設計しましたが、全体の構成やテーマは、途中でのインスピレーションやフィードバックの流れに沿って決めていきました。これが私のいちばん好きなやり方でした。構造と流れがほどよく混ざり合っていたのです。講座を受けた人たちも、その結果を気に入ってくれているようです。

フィクションの小説を共創型のプランツァー方式で書くのもとても楽しいかもしれませんが、そのぶん複雑になりますし、フィードバックにかかる時間も増えます。なので、今回のNaNoWriMoではその方式は使いません。まずは一人で小説を書くという体験に飛び込んで、それがどんなものかを確かめたいのです。

役に立ったコツのひとつは、第一稿は書き手のためだけのものだと覚えておくことです。ほかの誰にも見せる必要はありません。ですから、第一稿はとても見苦しいものになってもかまいません。物語や登場人物がどこへ向かいたがっているのかを探りながら、自分のために物語を書いているだけなのです。その後で、この稿から学んだことを活かして、たとえばすべての場面を設計するなどプロットを立て直し、それから第二稿を書けばいいのです。

私はこのNaNoWriMoの体験を探検のように捉えています。物語がどうなるかにはこだわっていませんし、これまでに立てた基本的な計画は、ブログ記事のテーマを選ぶのと同じように、ゆるやかな道しるべにすぎません。ですから毎日、ただ飛び込んで書き、何が流れ出てくるかを見るつもりです。場面を時系列順に書かないかもしれません。

NaNoWriMoに参加する人の多くは、自分のためだけに物語を書き、書いたものを公開しません。でも、私はそのつもりはありません。自分のためだけに書くのではなく、人と共有できる物語を作りたいのです。とはいえ、今月はあくまで第一稿を仕上げるためのものなので、完成した小説が読めるのは早くても2021年のどこかになるでしょう。

さて……朝ごはんを食べて、それから書くとしましょう。🙂

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