EV(事業価値・企業価値)
EVとは、企業が営む事業そのものの価値を表す指標で、一般に株式時価総額に有利子負債を加え、現金などの余剰資産を差し引いて求める値です。
株式時価総額は株主にとっての価値ですが、企業を丸ごと買収する場合は、借入金などの負債も引き継ぐことになります。一方で、企業が持っている現金は実質的に買収価格の一部を相殺します。EVは、こうした資本構成の違いを取り除き、事業が生み出す価値そのものを比べるための考え方です。
EVを営業利益に減価償却費を加えたEBITDAで割ったEV/EBITDA倍率は、M&Aや企業価値評価で広く使われます。借入の多さや減価償却の方法の違いによる影響を受けにくいため、異なる企業どうしを比較しやすいのが特徴です。
新規事業をM&Aで立ち上げる場合や、事業の切り出しを検討する場合には、提示された買収価格が株式の価値なのか、負債を含めた事業の価値なのかを区別して理解することが重要です。どの項目を負債や現金として扱うかによって値が変わるため、定義をそろえて比較する必要があります。
「EV」が出てくる記事
新規事業のステージゲートの設計:段階・判断基準・運用のつくり方
大企業で新規事業を進めるためのステージゲートの設計方法を解説します。段階の切り方、各ゲートで見る判断基準と提出物、誰が判断するか、撤退の決め方、既存事業向けの審査との違いまで、社内制度を作る担当者向けに整理します。
スタートアップとの協業・事業提携の進め方:公的指針とモデル契約書の使い方
大企業がスタートアップと協業するときは、目的とゴールの共有、NDA・PoC・共同研究・ライセンスの各段階での契約設計が要になります。公正取引委員会・経済産業省の指針と特許庁などのモデル契約書に沿って、進め方と注意点を整理します。
VCからの資金調達の流れ:準備から払込・登記まで
ベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達は、準備、VC探しと面談、デューデリジェンス、タームシート、契約、会社法の手続き、調達後の報告という順に進みます。各段階でやることと、つまずきやすい点を公的なガイドラインをもとに整理します。
タームシートの主な条項:優先株式・事前承認・買取請求権の読み方
VCから優先株式で資金調達するときのタームシートについて、発行条件、優先分配(参加型・非参加型)、取得請求権と希釈化防止、事前承認、株式買取請求権、みなし清算など主な条項の意味と交渉の考え方を、経済産業省のガイドラインをもとに解説します。
資本政策の基本:持株比率の設計と資本政策表の作り方
資本政策は、誰に、いつ、どれだけの株式を、いくらで渡すかの計画です。会社法の決議要件から見た持株比率の意味、資本政策表の作り方、創業期に起きやすい失敗、ストックオプションや上場を見据えた考え方を、公的な資料をもとに解説します。
カーブアウト・スピンオフで新規事業を独立させる
社内では事業化できない技術や事業を、別会社として独立させる方法がカーブアウトとスピンオフです。経済産業省の「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」とスピンオフの手引をもとに、資本構成、知財、人材の論点と、スピンオフ税制の概要を整理します。
「投資判断・財務評価」の他の用語
- CAPEX(資本的支出)
- CAPM(資本資産価格モデル)
- DCF法
- EVA(経済的付加価値)
- IRR(内部収益率)
- MIRR(修正内部収益率)
- MM理論(モディリアーニ=ミラーの定理)
- NOPAT(税引後営業利益)
- NPV(正味現在価値)
- PER(株価収益率)
- PI(収益性指数)
- rNPV(リスク調整後正味現在価値)
- ROIC(投下資本利益率)
- WACC(加重平均資本コスト)
- イノベーション会計
- インカム・アプローチ/マーケット・アプローチ/コスト・アプローチ
- 会計的投資利益率法
- 回収期間法
- 株主資本コスト
- 貨幣の時間価値(現在価値・将来価値)
- 感度分析・シナリオ分析
- 機会費用(機会コスト)
- コントロールプレミアム(支配権プレミアム)
- サイズプレミアム
