AMAZON COM INC
EC、広告、会費収入とクラウドのAWSを併せ持つ米国企業。営業利益の過半をAWSが稼ぎ、AI投資を急拡大している
2025年12月期
- 売上高
- 7,169億ドル 前期比 +12.4%
- 営業利益
- 800億ドル 利益率 11.2%
- 純利益
- 777億ドル
- ROE
- 22.3%
- 自己資本比率
- 50.2%
北米と海外のEC事業と、クラウドのAWSの3セグメントで構成。2025年12月期は売上高7,169億ドル(前期比12%増)、営業利益800億ドル、純利益777億ドル。AWSが営業利益の57%を占め、2026年はAIやチップ、衛星などに約2,000億ドルの設備投資を計画している。
事業の概要
報告セグメントはNorth America、International、AWSの3つ。2025年12月期のセグメント別業績は次のとおり。
- North America:売上高4,263億ドル(前期比10%増、売上高の59%)、営業利益296億ドル
- International:売上高1,619億ドル(同13%増、23%)、営業利益48億ドル
- AWS:売上高1,287億ドル(同20%増、18%)、営業利益456億ドル
AWSは売上高の2割弱ながら営業利益の57%を生み、営業利益率は35%を超える。一方、EC中心のNorth AmericaとInternationalの営業利益率は1桁台にとどまる。
製品・サービス別の売上高では、Online stores 2,693億ドル、Third-party seller services 1,722億ドル、Advertising services 686億ドル(22%増)、Subscription services 496億ドル、Physical stores 226億ドル。出品者向けの手数料、広告、Primeなどの会費といったサービス収益の比重が大きい。従業員数は2025年末で約157万6,000人。
業績の分析
2025年12月期(US GAAP)は売上高7,169億ドル(前期比12%増)、営業利益800億ドル(同17%増)、純利益777億ドル(同31%増)。営業キャッシュ・フローは1,395億ドル。
Form 10-Kでの会社の説明によると、North AmericaとInternationalは販売数量と広告売上の増加で増益となり、AWSは利用量の増加が長期契約の価格改定を上回った。営業利益には、FTCとの訴訟和解に伴う25億ドルと人員削減に伴う退職関連費用27億ドルが含まれる。純利益の伸びが大きいのは、出資先Anthropicの優先株の評価益などで、その他の収益が152億ドルの利益(前期は23億ドルの損失)となったためだ。
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 | 営業CF |
|---|---|---|---|---|
| 2021年12月期 | 4,698億ドル | 249億ドル | 334億ドル | 463億ドル |
| 2022年12月期 | 5,140億ドル | 122億ドル | -27億ドル | 468億ドル |
| 2023年12月期 | 5,748億ドル | 369億ドル | 304億ドル | 849億ドル |
| 2024年12月期 | 6,380億ドル | 686億ドル | 592億ドル | 1,159億ドル |
| 2025年12月期 | 7,169億ドル | 800億ドル | 777億ドル | 1,395億ドル |
2022年12月期の純損失には、Rivian株の評価損127億ドルが響いた。営業利益はその後3年で約6.5倍に増えた。総資産は2025年末で8,180億ドル、株主資本は4,111億ドル。
直近の2026年4〜6月期は売上高2,006億ドル(前年同期比20%増)、営業利益275億ドル(43%増)。AWSは37%増の422億ドルと伸びを加速した。純利益626億ドルには、主にAnthropicへの投資に由来する534億ドルのその他の収益が含まれる。
経営計画・成長戦略
Amazonは中期経営計画や数値目標を公表していない。Form 10-Kと決算発表で示された重点は次のとおり。
- AIインフラへの投資:2025年の設備投資(現金ベース)は1,283億ドルと前期の777億ドルから大きく増えた。大半はAWSを支える技術インフラ。CEOのAndy Jassyは2026年に全社で約2,000億ドルの設備投資を見込むと表明している
- 自社チップ:TrainiumとGravitonを展開し、チップ事業の年換算売上は2026年4〜6月期に250億ドルを超えた。AnthropicとOpenAIがTrainiumの複数年・複数ギガワット規模の利用を約束した
- 生成AIサービス:Amazon Bedrockで各社の基盤モデルを提供し、AWSのAI事業の年換算売上も250億ドルを超えた
- 小売の配送速度:当日・翌日配送の拡大と、食品・日用品の強化を進める
新規事業・新しい取り組み
- Amazon Leo:低軌道衛星によるインターネット網。2026年7月の決算発表時点で400基近くを打ち上げ、年内の初期サービス開始をめざす。2026年1〜3月期は前年同期比約10億ドルのコスト増を見込んでいた
- Alexa+:生成AIを使う新しいAlexa。米国ではPrime会員に無料、非会員は月19.99ドルで提供し、ドイツ、フランス、ブラジルなどにも広げた
- Zoox:自動運転タクシー。2026年に米運輸当局から運賃を受け取るための適用除外を得て、有料の商用サービスに道を開いた
- Anthropicへの出資:2025年に転換社債で27億ドルを追加投資した。優先株の評価益が純利益を押し上げている
新規事業の担当者の視点では、自社用に作った物流網やITインフラを外部に開放し、手数料、広告、クラウドの収益源に変えてきた点が参考になる。
分析:強みと課題
強み
- 収益源の分散:EC、出品者サービス、広告、サブスクリプション、クラウドが並び、広告だけで686億ドルの規模がある
- AWSの利益創出力:営業利益の過半を生み、2026年4〜6月期には売上高が37%増と伸びを加速した
- キャッシュ創出力:営業キャッシュ・フローは1,395億ドルと、5年で約3倍になった
課題・リスク
- 設備投資の回収:2025年のフリー・キャッシュ・フローは112億ドルに縮み、直近12カ月では76億ドルの流出に転じた。巨額のAI投資が利益に結びつくかが問われる
- 純利益の振れ:Rivian株やAnthropic株の評価損益で純利益が大きく動き、本業の実力が見えにくい
- 規制・訴訟:2025年にFTCとの訴訟を和解し、イタリアの税務紛争も解決したが、巨大プラットフォームとしての規制対応は続く
出典
- Form 10-K for the fiscal year ended December 31, 2025(Amazon.com, Inc.、2026年2月6日)
- Form 10-K for the fiscal year ended December 31, 2022(Amazon.com, Inc.、2023年2月3日)
- SEC EDGAR XBRL財務データ(Amazon.com, Inc.、CIK 0001018724)
- Amazon.com Announces Fourth Quarter Results, Form 8-K Exhibit 99.1(Amazon.com, Inc.、2026年2月5日)
- Amazon.com Announces Second Quarter Results, Form 8-K Exhibit 99.1(Amazon.com, Inc.、2026年7月30日)
分析の更新履歴(1件)
- 最新の版 2026年9月27日時点の情報
業績の推移
数字から読み取れること
- 売上高は2021年12月期の4,698億ドルから2025年12月期の7,169億ドルへ増加(4期間の年平均成長率 11.1%)。
- 直近期(2025年12月期)の売上高は前期比 +12.4%。
- 直近期の営業利益率は 11.2%(2021年12月期は 5.3%、+5.9ポイント)。
- 表の期間中に最終赤字の期がある(2022年12月期)。
- 直近期のROEは 22.3%(純利益÷期首期末平均の自己資本で計算)。
- 直近期末の自己資本比率は 50.2%。
- 直近期の営業キャッシュフロー(1,395億ドル)は純利益の 1.8倍。
下の表の数値から自動で計算しています。
| 決算期 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 4,698億ドル | 5,140億ドル | 5,748億ドル | 6,380億ドル | 7,169億ドル |
| 前期比 | — | +9.4% | +11.8% | +11.0% | +12.4% |
| 営業利益 | 249億ドル | 122億ドル | 369億ドル | 686億ドル | 800億ドル |
| 営業利益率 | 5.3% | 2.4% | 6.4% | 10.8% | 11.2% |
| 純利益 | 334億ドル | −27.2億ドル | 304億ドル | 592億ドル | 777億ドル |
| 総資産 | 4,205億ドル | 4,627億ドル | 5,279億ドル | 6,249億ドル | 8,180億ドル |
| 自己資本 | 1,382億ドル | 1,460億ドル | 2,019億ドル | 2,860億ドル | 4,111億ドル |
| 自己資本比率 | 32.9% | 31.6% | 38.2% | 45.8% | 50.2% |
| ROE | 24.1% | -1.9% | 17.5% | 24.3% | 22.3% |
| 現金及び現金同等物 | 362億ドル | 539億ドル | 734億ドル | 788億ドル | 868億ドル |
| 営業キャッシュフロー | 463億ドル | 468億ドル | 849億ドル | 1,159億ドル | 1,395億ドル |
| 書類の提出日 | — | — | — | — | 2026/02/06 |
| 出典 | US GAAP | US GAAP | US GAAP | US GAAP | US GAAP |
新しい決算の書類が提出されるたびに期を追加し、過去の期も残しています。 SECに提出されたXBRLの年次の値です(金額は米ドル)。ROEは純利益を期首・期末の株主資本の平均で割って計算しています。会社の定義する売上高と異なる場合があります。
小売(その他)の会社
米国の小売(その他)は80社。 AMAZON COM INCの直近の売上高は1位。 業種の会社をすべて見る
| 順位 | 会社名 | 売上高 | 営業利益率 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | AMAZON COM INC | 7,169億ドル | 11.2% | 777億ドル |
| 2 | CVS HEALTH Corp | 4,021億ドル | 1.2% | 17.7億ドル |
| 3 | JD.com, Inc. | 1,872億ドル | 0.2% | 28.1億ドル |
| 4 | Coupang, Inc. | 345億ドル | 1.4% | 2.1億ドル |
| 5 | CDW Corp | 224億ドル | 7.4% | 10.7億ドル |
| 6 | DICK'S SPORTING GOODS, INC. | 172億ドル | 6.4% | 8.5億ドル |
| 7 | Vipshop Holdings Ltd | 151億ドル | 7.7% | 10.4億ドル |
| 8 | Chewy, Inc. | 126億ドル | 2.0% | 2.2億ドル |
| 9 | Wayfair Inc. | 125億ドル | 0.1% | −3.1億ドル |
| 10 | Ulta Beauty, Inc. | 124億ドル | 12.4% | 11.5億ドル |
直近期の売上高で並べています。決算期が会社ごとに異なるため、同じ時期の比較ではありません。
掲載内容は開示資料をもとにした情報提供であり、特定の有価証券の売買を勧めるものではありません。数値の正確性には注意していますが、投資などの判断は必ず各社の開示資料をご確認のうえ、ご自身で行ってください。
