PaaS(製品を機能として提供)
製品を売り切らず、製品が果たす機能や成果を利用量や月額で提供し、所有ではなく利用への対価を継続的に受け取る型です。
仕組み
PaaS(ここでは「製品を機能として提供する」意味)は、製品の所有権を顧客に渡さず、製品が果たす機能や成果を提供して対価を得る型です。たとえば、照明器具を売る代わりに「明るさ」を、機械を売る代わりに「稼働した時間や生産した量」を、空調機を売る代わりに「快適な室温」を提供するような考え方です。IoT機器でその使用状況を測定できるようになったため、広がっています。
顧客は大きな初期費用を払わずに済み、故障や保守の心配も事業者に任せられます。事業者は、製品を長持ちさせ、効率よく使われるように設計するほど利益が増えます。
収益の上がり方
収益は、利用量や稼働に応じた料金、または月額の固定料金です。製品の所有を事業者が持つため、製品の購入費用を、数年にわたる利用料で回収します。そのため、長く使われるほど、1台あたりの収益が増えます。壊れにくい設計や、修理しやすい構造、部品の再利用が、そのまま利益につながるのが従来の売り切りと大きく異なる点です。
一方で、初期にまとまった資金が必要で、回収に時間がかかります。顧客の使い方が荒いと保守費用が増え、利用量が想定より少ないと採算が合いません。顧客が契約を途中でやめたときの扱いや、製品の回収と再配置の仕組みも設計が必要です。
失敗しやすいのは、製品の購入費用を先に負担するため、利用が想定より少なかったり、早期に解約されたりして、投資を回収できないことです。契約の最低期間、中途解約時の精算、製品の回収の条件を事前に決めます。また、利用状況を測る仕組みがないと、料金の根拠を示せません。測定と請求の仕組みは、製品の設計の段階から組み込んでおきます。
見るべき指標
- 稼働している製品の台数と、稼働率
- 1台あたりの月間の利用料収入と、保守の費用
- 製品の寿命と、回収後の再利用率
- 契約の継続期間と解約率
- 投資した製品費用の回収にかかる月数
向いている事業・注意点
製品の使用状況を測定でき、故障や保守を事業者が管理した方が効率的な機器に向いています。顧客が初期投資を負担したくない、あるいは成果だけを求める分野で支持されやすい型です。
注意点は、事業者側の財務負担と、使い方による費用の変動です。利用料の決め方が不透明だと、顧客の不信につながります。契約の形によっては、リースや割賦に関する法分野の規制が関わる場合があります。個別の判断は専門家に確認してください。
新規事業で使うとき
新規事業では、まず少数の顧客で、実際の使用状況と保守費用を測り、1台あたりの収益と費用が見合うかを確かめます。製品を貸し出すための資金をどう用意するかも早い段階で検討が必要です。回収までの月数と損益分岐は損益分岐点の計算と使い方で計算できます。
顧客1社が契約を続ける期間と、その間の粗利はユニットエコノミクス(LTV・CAC)の考え方で見積もれます。測定の仕組みを整え、利用実績に基づく公平な料金体系にすることが、顧客の信頼につながります。
この型の事例
「製品・サービス提供の型」の他の型
- レンタル・リース
- 製造業のサービス化(コト売り)
- ハードウェア+ソフトウェア(IoT)
- データ活用ビジネス
- ソリューション・受託開発
- 成果報酬型サービス
- バンドル・クロスセル
- ロングテール
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- コンサルティング・アドバイザリー
- 研修・資格認定
- BPO(業務の受託運営)
- 人材派遣・業務委託
- ファブレス(設計に特化)
- CRO・CDMO(研究開発・製造の受託)
- 3PL(物流受託)
- 業種特化SaaS(バーティカルSaaS)
- オンライン診療・遠隔サービス
- リマニュファクチャリング(再生品)
- リサイクル・資源循環ビジネス
- ESCO(省エネの成果で回収)
- MVNO(回線を借りて再販)
- ファシリティマネジメント・施設運営
- 介護・福祉事業
- スクール・塾(教育事業)
- コンテンツ制作スタジオ
